京都のおすすめ抹茶カフェ4選:外国人旅行者向けガイド
抹茶を味わうなら、京都はやはり特別な街である。このガイドでは、京都府内で抹茶と和の甘味を楽しめる4店を紹介する。宇治の茶工場を改装したカフェで抹茶スイーツを出す中村藤吉本店、1860年創業の宇治茶商が祇園で営む祇園辻利、冷たい葛切り「くずきり」で知られる祇園の老舗和菓子店・鍵善良房、そして祇園四条駅のすぐそばで茶房を併設する伊藤久右衛門 祇園四条店である。このうち中村藤吉本店・祇園辻利・鍵善良房は、宇治茶や京都の甘味の歴史とつながりの深い店ばかりだ。
宇治はなぜ「お茶の聖地」と呼ばれるのか
日本茶の文化は、平安時代に唐(中国)の飲茶の習慣が伝わったことに始まるとされ、当初は栂尾で栽培が始まり、やがて宇治に広がって、日本で最高級の茶葉を生産する土地としての地位を確立したと伝えられている。15〜16世紀頃には、宇治で「覆下栽培」という、茶園に覆いをかけて育てる技法が確立され、これが現在の抹茶の直接的な起源になったとされる。覆いをかけることで渋みが抑えられ、鮮やかな緑色と強いうまみが生まれる。この製法で作られた高級な茶(碾茶・抹茶)は、当時は身分の高い層にしか手が届かないものだったという説明もある。ある史料の要約によれば、1413〜1567年頃の記録では、普通の茶が1杯5〜6文程度だったのに対し、宇治茶は1キログラムあたり500文という高値で取引されていたとされる(二次資料からの引用で、一次史料そのものではない点は留保しておきたい)。
現在「宇治茶」の名で売られる茶葉の多くは、宇治市そのものではなく、近隣の宇治田原・南山城・和束などで生産されているとも言われる。つまり「宇治」は厳密な産地表示というより、高級茶の代名詞としてのブランドに近い。宇治の茶商は抹茶だけでなく、煎茶や玉露の発展にも関わったとされており、日本茶の主要なスタイルの多くが宇治とつながっている。このガイドで紹介する中村藤吉と祇園辻利は、どちらもその宇治茶を扱ってきた茶商である。
宇治で味わう:中村藤吉本店
中村藤吉本店は、宇治の老舗茶商が、かつての茶工場の建物を改装してカフェとして開いた店である。JR宇治駅の南口から歩いて約2分と、駅からすぐの場所にある。店頭では茶葉や関連商品を販売し、併設のカフェでは、店の宇治抹茶を使ったスイーツやパフェを、旧茶工場の趣ある空間で座って味わえる。宇治という土地そのもので抹茶を味わえるのが、この店のいちばんの魅力だ。
- 予算
- 1,000〜3,000円
- エリア
- 宇治
- 営業時間
- 平日10:00〜17:30(カフェL.O.16:30)、土日祝10:00〜18:00(カフェL.O.16:30)。
営業時間は平日が10時〜17時30分、土日祝が10時〜18時で、カフェのラストオーダーはどちらも16時30分。夕方には注文を締め切るので、宇治観光の後半に立ち寄るなら時間に注意したい。
祇園で味わう:祇園辻利
祇園辻利は、万延元年(1860年)創業の宇治茶商が祇園に構える店である。1階では茶葉を販売し、2階のカフェでは宇治抹茶を使った抹茶パフェや抹茶ソフトクリームを出している。長く宇治茶を扱ってきた茶商らしく、抹茶の風味の濃さに定評があるとされる。京阪の祇園四条駅から歩いて約3分で、営業時間は10時30分〜21時(ソフトクリームのラストオーダーは20時)。京都の甘味処としては遅い時間まで開いているので、夕食の後に立ち寄ることもできる。
- 予算
- 1,000〜3,000円
- エリア
- 祇園
- 営業時間
- 10:30〜21:00(ソフトクリームL.O.20:00)。
なお、同じ会社の喫茶部門「茶寮都路里」は、東京駅の大丸東京店や大阪の大丸心斎橋店にも出店している。京都で食べた抹茶パフェの味を、東京や大阪で思い出すこともできる。
抹茶と並ぶ京都の甘味:鍵善良房
- エリア
- 祇園
鍵善良房は、江戸時代中期に創業したとされる祇園の老舗和菓子店である。看板は、透明感のある冷たい葛切り「くずきり」で、黒蜜につけて食べる。店に併設された茶房で、くずきりをはじめとする和菓子を座って味わえる。抹茶そのものを主役にした店ではないが、抹茶パフェとはまた違う、京都の甘味の文化に触れられる一軒としてこのガイドに入れている。抹茶の苦みと、くずきりのやさしい甘さを同じ日に食べ比べてみるのもよい。価格と現在の営業時間は当サイトでは確認できていないので、訪れる前に確かめてほしい。
祇園四条駅のすぐそばで:伊藤久右衛門 祇園四条店
伊藤久右衛門 祇園四条店は、宇治市に本店を置く宇治茶の店が2019年8月に開いた、茶房を併設する店舗である。四条通と大和大路通の交差点の東南角にあり、京阪の祇園四条駅6番出口から徒歩1分と、このガイドの中でも駅からとくに近い。開業時の公式発表では、茶房は2階と3階に計67席あり、特選祇園パフェやスイーツプレート、抹茶カレーうどんといったメニューが紹介されていた(現在の内容は来店前に確認してほしい)。
- エリア
- 祇園
- 営業時間
- 10:30〜18:30(茶房のラストオーダーは季節により変わる)。1月1日・2日と不定休あり。
京都府の2026年版の宇治茶カフェのパンフレットによれば、営業時間は10時30分〜18時30分(茶房のラストオーダーは季節により変わる)で、1月1日・2日と不定休がある。祇園の散策の途中に、駅のすぐそばで宇治茶の店に立ち寄れるのが便利だ。
観光と組み合わせるなら
祇園辻利・鍵善良房・伊藤久右衛門 祇園四条店は、いずれも祇園の四条通沿いの近い場所にあり、八坂神社や清水寺へ向かう散策の途中に立ち寄りやすい。店をはしごして、抹茶パフェとくずきりを食べ比べることもできる。
一方、中村藤吉本店のある宇治は、京都市の中心部から電車で移動する必要がある。平等院鳳凰堂など宇治の名所と合わせて半日の計画を立てるのが現実的だ。祇園で手早く甘味を楽しむ日と、宇治まで足を延ばしてお茶の産地をゆっくり訪ねる日とを、旅程の中で分けて考えるとよい。
どの店を選ぶか
抹茶の産地そのものを訪ねたいなら中村藤吉本店、祇園観光の途中で本格的な抹茶パフェを食べたいなら祇園辻利、抹茶以外の京都らしい甘味を味わいたいなら鍵善良房がおすすめだ。夜にも抹茶スイーツを食べたいなら、21時まで開いている祇園辻利が使いやすい。祇園四条駅のすぐそばで宇治茶の店に立ち寄りたいなら、駅から徒歩1分の伊藤久右衛門 祇園四条店が便利だ。
予算とお土産
中村藤吉本店と祇園辻利は、当サイトの予算の目安で1人1,000〜3,000円にあたる。抹茶パフェは甘味としては値段が高めなので、1人1品を目安に考えておくとよい。鍵善良房の価格帯は当サイトでは確認できていないので、店頭のメニューで確かめてほしい。
中村藤吉本店と祇園辻利は、どちらも茶葉を販売する店でもある。カフェで気に入った味があれば、帰りに店頭で茶葉を買って帰ることができる。宇治茶を扱う茶商の店で直接選べるのは、京都ならではの楽しみ方だ。
注文のしかた
中村藤吉本店・祇園辻利・鍵善良房は、席に座ってメニューから選ぶ形式である。抹茶パフェには、抹茶のアイスやゼリー、白玉、あんこなどが重なっていることが多く、上から順に食べ進めると、味と食感の変化を楽しめる。くずきりは、黒蜜につけてそのまますすって食べればよい。抹茶の苦みが苦手な人は、甘さのある抹茶ソフトクリームから試すのもひとつの方法だ。
訪れる前の注意
- 4店とも、英語メニューや英語を話すスタッフの有無は当サイトでは確認できていない。写真つきのメニューを指さして注文する準備をしておくと安心だ。
- 人気店のため、週末や観光シーズンは席が空くまで待つことがある。時間に余裕を持って訪れたい。
- 中村藤吉本店のカフェは16時30分がラストオーダー。宇治に行く日は、早めの時間に寄るようにしたい。
東京や大阪でも抹茶を楽しみたい人は、東京のおすすめ抹茶カフェと大阪のおすすめ抹茶カフェも参考にしてほしい。
よくある質問
抹茶の産地にいちばん近い店は?
宇治にある中村藤吉本店です。JR宇治駅から徒歩約2分で、宇治は抹茶のもとになった覆下栽培が確立された土地とされています。
夜も抹茶スイーツを食べられますか?
祇園辻利は21時まで営業しています(ソフトクリームのラストオーダーは20時)。伊藤久右衛門 祇園四条店は18時30分まで(茶房のラストオーダーは季節により変わる)。中村藤吉本店のカフェは16時30分がラストオーダーです。
鍵善良房は抹茶の店ですか?
いいえ。黒蜜で食べる冷たい「くずきり」で知られる老舗の和菓子店で、京都の甘味文化のもう一つの顔として紹介しています。
予算はどのくらいですか?
中村藤吉本店と祇園辻利は、当サイトの予算の目安で1人1,000〜3,000円です。鍵善良房の価格は当サイトでは確認できていません。
駅から近い店はどこですか?
伊藤久右衛門 祇園四条店は、京阪の祇園四条駅6番出口から徒歩1分です。宇治の中村藤吉本店も、JR宇治駅から徒歩約2分です。
クイックアンサー
抹茶の産地で味わうなら、茶工場を改装した宇治の中村藤吉本店。祇園では、1860年創業の宇治茶商祇園辻利が21時まで抹茶パフェを出しており、くずきりで知られる老舗和菓子店鍵善良房では、抹茶と並ぶ京都らしい甘味を味わえる。祇園四条駅から徒歩1分の場所には、茶房を併設する伊藤久右衛門 祇園四条店(10時30分〜18時30分)もある。
- 予算
- 1,000〜3,000円
- エリア
- 宇治・京都
おすすめポイント:茶工場を改装したカフェで抹茶スイーツ・パフェ。JR宇治駅から徒歩約2分、カフェL.O.16:30。
- 予算
- 1,000〜3,000円
- エリア
- 祇園・京都
おすすめポイント:1860年創業の宇治茶商。1階で茶葉、2階で抹茶パフェ。21時まで営業。
- エリア
- 祇園・京都
おすすめポイント:黒蜜で食べる冷たい「くずきり」で知られる祇園の老舗和菓子店。
- エリア
- 祇園・京都
おすすめポイント:祇園四条駅6番出口から徒歩1分。宇治市に本店を置く宇治茶の店の茶房。18時30分まで。