渋谷のおすすめ居酒屋6選:外国人旅行者向けガイド
渋谷の居酒屋を一つに括ることは難しい。この記事で紹介する6店は、全品均一価格の明朗会計チェーンから、戦後の闇市的な一帯から発展した約40軒のバーが並ぶ路地、さらには渋谷の夜景を見渡せる14階の炉端焼きまで、価格帯も雰囲気もまったく異なる。共通しているのは、いずれも「居酒屋とはこういう店だ」という一枚岩の説明では収まらない、渋谷という街の幅の広さを映し出している点である。
居酒屋とは何か、改めて確認しておく
居酒屋は、もともと酒屋が店先で酒を飲ませるようになったことに由来するとされる、日本独自の酒と食事を組み合わせた業態である。定食屋のようにメインの一皿を注文して終わる店ではなく、刺身・焼き物・揚げ物・サラダなど複数の小皿を少しずつ注文し、グループで分け合いながら時間をかけて飲食するのが基本的な利用スタイルになる。これは外国人旅行者にとって、注文の仕組みそのものが最初の体験の一部になりやすい業態でもある。一部の店では時間制の「飲み放題(ノミホウダイ)」プランも用意されており、グループでの利用時には会計方法を事前に確認しておくと安心だ。
お通しという仕組みを理解しておく
このリストのうち鳥貴族を除くほぼすべての店では、着席後すぐに注文していない小皿料理「お通し」が出される。これは日本全国の伝統的な居酒屋で広く行われている慣習で、実質的には1人あたりの席料(一般に300〜600円程度)として機能しており、ぼったくりではない。一度出されたお通しは基本的に断ることができない仕組みのため、慣れていない旅行者が会計時に「注文していないのに課金された」と誤解しやすい代表的な例でもある。鳥貴族は、このお通し自体を一切取らないという点で、このリストの中でも珍しい例外に位置づけられる。
渋谷ならではの幅:横丁文化から現代的チェーンまで
のんべい横丁は、渋谷駅の北側に残る戦後の一帯を起源とすると複数の資料で説明されており、最初は1軒のバーから始まり、隣に次の店ができ、やがて約40軒が軒を連ねる路地になったとされる。現在の形がおおむね固まったのは1950年代前半頃とされ、かつてこの場所には東急電鉄の本社があったが、戦後の混乱期を経て一帯の性格が大きく変わったという説明もある。宮下パークのすぐ近く、渋谷駅の裏手という立地にもかかわらず、日本語のみのメニュー・現金のみの小さなバーが中心という、渋谷の中でも異質な時間が流れる一帯になっている。これと対照的なのが、全品均一価格・お通しなし・深夜料金なしという明朗会計を徹底した鳥貴族のような現代的チェーンであり、同じ「居酒屋」という言葉の中に、昭和から続く横丁文化と、平成以降に整備された分かりやすい価格設計という、まったく異なる2つの時代が共存している。渋谷横丁は、宮下パーク南側にできた比較的新しい複合施設で、日本各地の郷土料理を提供する約19店舗が集まっており、横丁文化を現代的な商業施設の形で再解釈した存在と位置づけられる。
なぜ渋谷でこの幅が成立するのか
新宿や新橋のようなオフィス街の居酒屋街が、仕事帰りの会社員を主な客層として発展してきたのに対し、渋谷は若者・学生・観光客が入り混じる繁華街として発展してきた経緯があり、客層の幅広さがそのまま店の形態の幅広さにつながっている面がある。渋谷スクランブル交差点周辺の人通りの多さは、鳥貴族やつり堀ざうおのような、初めての客でも入りやすい大型チェーンが出店しやすい土台になっており、一方で渋谷駅から一本裏に入ったのんべい横丁のような一帯は、表通りの喧騒とは対照的に、昭和の雰囲気をほぼそのまま残す形で生き残っている。同じ渋谷という駅を起点にしながら、歩いて数分の範囲内でまったく異なる時代の居酒屋体験が選べるという点が、このリストの実質的な価値といえる。
どの店を選ぶか、目的別に考える
居酒屋が初めてで、会計の仕組みに不安がある場合は、全品均一価格で追加料金がない鳥貴族が最も分かりやすい。食事自体を体験として楽しみたいなら、店内の釣り堀で魚を釣ってから調理してもらえるつり堀ざうおが記憶に残りやすい。特別な夜に渋谷の夜景を見ながら過ごしたいなら、英語メニューと多言語スタッフ対応を確認済みの権八渋谷店が候補になる。日本語のメニューしかない小規模な店の雰囲気を試してみたいなら、英語対応の予約サイトから予約できる居酒屋くしろ家が比較的入りやすい。一方、のんべい横丁は上級者向けで、日本語メニュー・現金のみを前提に、雰囲気そのものを楽しむ場所と考えたほうがよい。郷土料理をいろいろ試したいだけで、横丁特有の一軒一軒を回る緊張感までは求めていない場合は、渋谷横丁のように複数店舗が一つの施設にまとまっている形式のほうが利用しやすいこともある。
- チップは不要。表示価格(お通し代を含む)が支払う金額のすべてである。
- 禁煙かどうかは店舗による。権八・鳥貴族のような大型店は禁煙だが、のんべい横丁の個人経営の小さなバーは店ごとに対応が異なるため、気になる場合は入店時に確認する。
- グループでの来店時は、飲み放題プランの有無・時間制限・途中退席時の扱いなど、会計条件を入店時に確認しておくと、後からの誤解を避けやすい。
- 土日祝・金曜の夜は渋谷全体が混雑しやすく、鳥貴族やつり堀ざうおのような人気チェーンは予約なしでは待ち時間が発生することがある。時間に制約がある場合は、事前に電話や予約サイトで空席状況を確認しておくと安心だ。のんべい横丁のような小規模なバーは予約自体を受け付けていないことが多く、満席であれば別の店を探すという柔軟さも必要になる。渋谷横丁のように複数の店舗が一つの屋内施設にまとまっている形式であれば、1店舗が満席でも同じ施設内の別の店にすぐ移れるという利点もある。
よくある質問
お通しとは何ですか?断ることはできますか?
お通しは、多くの伝統的な居酒屋で着席後に自動的に提供される、注文していない小皿料理で、実質的な1人あたりの席料(一般的に300〜600円程度)として機能します。日本全国で一般的な慣習であり、ぼったくりではありません。鳥貴族は、お通し自体が一切ないという珍しい例外です。
日本語が話せなくても入りやすいのはどのお店ですか?
鳥貴族・つり堀ざうお・権八はいずれも英語メニューの提供を確認済みです。居酒屋くしろ家は、店内メニューの英語対応までは確認できませんでしたが、英語対応の予約サイトから予約可能です。のんべい横丁は例外で、多くの小さな店では日本語のみのメニューが基本です。
チップは必要ですか?
いいえ。日本にはチップの習慣がなく、表示されている価格(該当する場合はお通し代を含む)が支払う金額のすべてです。
喫煙はできますか?
店舗によります。本記事で紹介した比較的大きな店舗(権八・鳥貴族)は禁煙です。のんべい横丁のような小規模な個人経営店は店ごとにルールが異なるため、気になる場合は入店時に確認してください。
クイックアンサー
居酒屋が初めての方には鳥貴族 渋谷店が一番安心です。全品均一価格で、お通し・席料がありません。もっと思い出に残る体験をしたいなら、店内の釣り堀で自分で魚を釣って調理してもらえるつり堀ざうお 渋谷店へ。渋谷の夜景を眺めながら特別な夜を過ごしたいなら、英語メニュー・多言語スタッフ対応の権八 渋谷店がおすすめです。なお、このリスト内の鳥貴族以外の伝統的な居酒屋の多くでは、着席後すぐに「お通し」が出されます。これは日本全国で一般的な正規の慣習であり、ぼったくりではありません。
- 予算
- 1,000〜3,000円
おすすめポイント:フード・ドリンクすべてが均一価格。お通し・席料・深夜料金が一切ない珍しい居酒屋チェーン。
- 予算
- 3,000〜6,000円
- 特徴
- 釣り体験
おすすめポイント:店内の釣り堀で自分の食べる魚を釣り、刺身・塩焼き・唐揚げなどに調理してもらえる。
- 予算
- 3,000〜6,000円
- 特徴
- 夜景
おすすめポイント:渋谷の夜景を眺めるE・スペースタワー14階の炉端焼き・居酒屋。英語メニュー、多言語スタッフ対応。
- 特徴
- 複合施設
おすすめポイント:宮下パーク南側にある、日本各地の郷土料理を提供する約19店舗が集まる屋内横丁。
- 予算
- 1,000〜3,000円
おすすめポイント:道玄坂にある北海道・釧路の郷土料理の伝統的な小規模居酒屋。英語対応の予約サイトから予約可能。
- 特徴
- 上級者向け
おすすめポイント:渋谷駅北側に残る戦後からの狭い路地に約40軒の小さなバーが並ぶ。現金のみ、日本語メニューが基本。