大阪の安うまグルメ16選:たこ焼き・お好み焼き以外の実力派
大阪には「食い倒れ」という言葉がある。「食べて身を持ち崩すほど食に金をかける」という意味で、やや自虐的でありながら地元の誇りでもある表現として知られ、京都の「着倒れ」(着る物に金をかける)と対にして語られることが多い。この記事で紹介する16店は、たこ焼き・お好み焼きという大阪の代表格をあえて外し、串カツ・豚まん・回転寿司・きつねうどん・ラーメン・カレーライス・天丼・とんかつ・おにぎり・定食という、1品あたり150〜900円程度で食べられる幅広いジャンルを集めている。1店だけを目指すより、エリアごとにまとめて回るほうが効率よく使えるリストになっている。
新世界:串カツと「二度づけ禁止」の由来
串かつだるまと八重勝があるのは新世界。この一帯は1903年の第5回内国勧業博覧会の跡地に開発され、1912年には通天閣の初代タワーが完成、劇場や映画館が並ぶ娯楽街として発展したとされる。串カツ自体は大正末期から昭和初期にかけて、労働者向けの安価で満腹感のある食事として新世界周辺で生まれたという説が広く知られており、新世界は当時、パリやニューヨークを思わせる近代的な「新しい世界」を目指して開発されたとも言われ、現在も昭和の雰囲気を色濃く残す飲食店・古い遊技場・商店街が入り混じるエリアとして知られている。串かつだるま新世界総本店は1929年創業と、この地域でも特に歴史の長い店の一つにあたる。新世界の串カツ店に共通する「ソースの二度づけ禁止」というルールは、ソースが共用であることに由来する衛生上の決まりで、お代わりしたい場合は添えられたキャベツをスプーンのように使ってソースをすくうのが作法とされている。八重勝のように、このルールを厳格に守る店も多い。
難波・道頓堀:カレーライスの発祥から深夜のラーメンまで
自由軒・はし清は難波、神座と551蓬莱なんばウォーク店は道頓堀寄りのエリアにある。自由軒は1910年創業、大阪最初の洋食店とされ、生卵を混ぜて食べるカレーライスが名物である。この生卵カレーは、作家・織田作之助の小説『夫婦善哉』に登場したことでも知られており、文学ゆかりの一品として紹介されることが多い。神座は大阪生まれのラーメンチェーンで、キャベツをたっぷりのせた軽めの醤油だしが特徴、道頓堀本店はほぼ24時間営業のため、道頓堀での食べ歩きの合間や深夜の小腹満たしにも利用しやすい。551蓬莱の豚まんは大阪土産としても定番で、なんばウォーク店は地下街にありながら数少ないイートインスペースを備えており、出来立てをその場で味わえる。はし清は創業約50年、とんかつを卵でとじた「とんかつ玉子とじ定食」で知られる昔ながらの食堂で、観光地化されていない難波の食堂の雰囲気を知るのに適した一軒である。
梅田・心斎橋・阿倍野:回転寿司の原点から通勤客向けの一杯まで
梅田エリアには元祖廻る元禄寿司・かつくら・おにぎり家一粒・串かつ松葉総本店の4店が集まる。元祖廻る元禄寿司は、1958年に世界初の回転寿司システムを大阪で発明したとされる元禄産業のチェーン店で、1皿約143〜171円から。串かつ松葉総本店は新梅田食道街にある1949年創業の立ち飲み串カツ店で、串をあらかじめ揚げておく「揚げ置き」スタイルのため提供が早い。心斎橋近くのうさみ亭マツバヤは1893年創業、甘く煮た油揚げをのせるきつねうどんを考案したとされる店として知られ、関西のうどんだしに特徴的な昆布中心の薄い色の出汁を味わえる一軒でもある(このだしの違いは別記事のうどんガイドでも扱っている)。かつくらは、ご飯・キャベツ・味噌汁のおかわりが自由なとんかつ定食の専門店で、梅田駅から近く買い物客にも利用しやすい。おにぎり家一粒は阪急梅田駅構内にあり、約30種類の出来立てのおにぎりを提供する、電車の合間に立ち寄りやすい一軒である。阿倍野の天丼てんやは天王寺駅に直結し、500円前後から楽しめる天丼の全国チェーンで、通天閣・新世界からあべのハルカス方面へ移動する際の食事にも組み合わせやすい。
このリストの使い方
16店を一度に全部回る必要はない。新世界で通天閣観光と串カツを組み合わせる、道頓堀・難波で食べ歩きしながら自由軒のカレーと551蓬莱の豚まんを楽しむ、梅田で乗り換えの合間に回転寿司や串カツ立ち飲みに立ち寄る、といったエリア単位の回り方のほうが現実的である。たこ焼き・お好み焼きの専門ガイドとは意図的に掲載店舗を重複させていないため、大阪名物の2大看板メニュー以外で何を食べるかを探している場合に適した構成になっている。滞在期間が短い旅行者であれば、新世界→道頓堀・難波→梅田という順に大阪駅方面へ移動しながら立ち寄るルートを組むと、観光移動と食事を無理なく組み合わせやすい。逆に梅田に宿泊している場合は、梅田4店だけで1日分の食事を済ませることも十分可能な密度になっている。
- 自由軒と串かつだるまは現金のみの対応が確認できている。他の店舗については支払い方法を個別に確認できていないため、現金を用意しておくのが安全である。
- 串かつだるま・551蓬莱・元祖廻る元禄寿司・神座のような大型店・チェーン店は観光客の利用も多く比較的入りやすいが、自由軒やうさみ亭マツバヤのような昔ながらの小規模店では、写真メニューや指差し注文が役立つ場面が多い。
- 新世界の串カツ店ではソースの二度づけ禁止というルールがあるため、初めて利用する場合は周囲の客の食べ方を見てから注文すると分かりやすい。八重勝のように、スプーンやおかわり用ソースを置かず、キャベツでソースをすくう方式を徹底している店もある。串かつ松葉総本店のような立ち飲みスタイルの店では、串をあらかじめ揚げておく「揚げ置き」のため提供は早いが、カウンターのみで長居を前提にしていない点も知っておくとよい。
よくある質問
大阪の「安うまグルメ」は1品いくらくらいですか?
本記事で紹介する店舗の多くは1品あたり約150〜900円です。串カツ1本や回転寿司の1皿は約110〜170円と特に手頃で、ラーメンやカレーライスは750〜900円程度になります。
たこ焼き・お好み焼きの記事とは何が違いますか?
たこ焼き・お好み焼きの記事はそれぞれ1つの料理に絞った内容です。本記事は串カツ・豚まん・回転寿司・きつねうどん・ラーメン・カレーライス・天丼・とんかつ・おにぎり・定食・牛丼・そばという12の異なるジャンルをあえて選んでおり、掲載店舗もどちらの記事とも重複していません。
外国人旅行者でも利用しやすいですか?
串かつだるま、551蓬莱、元祖廻る元禄寿司、神座といった大型店・チェーン店は観光客の利用も多く、比較的入りやすい傾向があります。自由軒とうさみ亭マツバヤは昔ながらの小規模な店舗のため、写真メニューや指差し注文が役立つ場面が多いでしょう。
現金は必要ですか?
自由軒と串かつだるまは現金のみの対応が確認できています。他の店舗の支払い方法についてはすべてを確認できていないため、念のため現金を用意しておくと安心です。
観光と組み合わせやすいですか?
はい。串かつだるまは新世界・通天閣から徒歩圏内、神座と自由軒は道頓堀・難波エリアから数分、551蓬莱のなんばウォーク店は地下街内にあり乗り換えの合間にも立ち寄りやすい立地です。
クイックアンサー
歩きながら5分で食べられる軽食を探すなら551蓬莱の出来立て豚まん。1929年創業の老舗で串カツを1本ずつ楽しみたいなら串かつだるま。日本の回転寿司の原点を体験したいなら、1皿約143円からの元祖廻る元禄寿司梅田店。大阪生まれの家庭的な一杯を探しているなら、神座のキャベツたっぷりラーメンと、1893年創業うさみ亭マツバヤの元祖きつねうどんもどちらも地元の定番です。
- 予算
- 1,000〜3,000円
おすすめポイント:1929年創業、大阪を代表する串カツの名店。約40種類の串カツが1本110〜143円程度から。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 豚まん
おすすめポイント:大阪名物の豚まん。1個約230円。地下街の店舗ながらイートインスペースがあり出来立てを味わえる。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 回転寿司
おすすめポイント:1958年に世界初の回転寿司システムを大阪で発明した元禄産業のチェーン店。1皿約143〜171円から。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- きつねうどん
おすすめポイント:きつねうどん発祥の店として知られる、1893年創業の老舗。心斎橋近く。
- 予算
- 〜1,000円
おすすめポイント:大阪生まれのラーメンチェーン。キャベツをたっぷりのせたあっさり醤油だしが特徴。ほぼ24時間営業。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- カレーライス
おすすめポイント:1910年創業、大阪最初の洋食店。生卵を混ぜて食べるカレーライスが名物。現金のみ。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 天丼
おすすめポイント:天王寺駅直結、500円前後から楽しめる天丼。
- 予算
- 1,000〜3,000円
- 特徴
- とんかつ
おすすめポイント:ご飯・キャベツ・味噌汁おかわり自由のとんかつ定食、梅田駅近く。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- おにぎり
おすすめポイント:阪急梅田駅構内、約30種類の出来立ておにぎり。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 定食
おすすめポイント:創業約50年、とんかつ玉子とじ定食で知られる難波の食堂。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 串カツ
おすすめポイント:新世界で二度づけ禁止のソースルールを守る老舗串カツ店。山芋入りの衣とどて焼きが名物。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 立ち飲み
おすすめポイント:新梅田食道街にある1949年創業の立ち飲み串カツ店。串はあらかじめ揚げておく「揚げ置き」スタイルで提供が早い。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 牛丼
おすすめポイント:道頓堀のメイン通り沿いで24時間営業、牛丼は約500円から。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 牛丼
おすすめポイント:南海難波駅から徒歩数分、24時間営業の牛めし・牛カレー。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- 牛丼
おすすめポイント:牛丼大手3社でもトッピングの種類が豊富、なんばの裏通りに立地。
- 予算
- 〜1,000円
- 特徴
- そば
おすすめポイント:南海電鉄なんば駅構内の立ち食いそば、7:00〜21:30営業。